以上未満


「ディスコの君、夕陽の君、桜の君」


「それって平安調の表現だね」(笑)


「そうですよ。」(笑)


「20歳のころまでにね、俺の心の腫れ物をパンパンに膿ませてくれて、メスで切開して膿を出し切って、消毒して縫合してくれた、女性達です」


「お医者さんみたい」



「とにかく俺の持っていた下らないプライドと劣等感を破壊して新地にしてくれた。新たな建設に入ったんだけどね・・・・・・本格的に建設が始まったのは時間が経過してから」


「運命的な出会い」


「そうだと思います。長い道だった。青春は女性にとって貴重な時間です。その時間、俺の横に彼女として重要な言葉をくれた。感謝していますよ。今の俺があるのはこの3人に出会えたから」


「恋愛も出会いの一つですね」


「この3人に偶然もう一度会ったとき、俺はあれから一生懸命に生きてきたよ、って言いたかった」


「桜の君には会えたんだもんね」


「25年ぶりだね。本人だって確認できた時は本当に嬉しかったよ!」


「フラれた男とフッた女」


「あの時はそれを言葉のオクビにださない二人だった。25年経ってそれがわかった。」


「二人とも・・・・・引きずってたんだね」


「3度しか会わなかったよ。それでも当時理解不能な、妙な心理がね。会うたびに薄らいでゆくのがよくわかった。癒されていたんだね。それは彼女も言ってた。お互いが立ち直りかけた時に会わなくなったんだろうね」


「運命的ですね」


「3人ともね・・・・・たしかうお座で3月生まれなんだよ」(笑)


「完全に運命的出会いですね」(笑)


「3人で一人だったのかな、と思う時もあるよ」


「ワタシにもあったかしら・・・・・」


「想い出してみて、思い出の地に行くのもイイよ。その時は気がつかないで、忘れそうだった気持ちに気がつかされるよ」


「ワタシも行ってみよーと」


「実物との再会は宵山の夜。俺の右には同行者のSB食品の営業マン。左に彼女だ。営業マンには内緒にしてあった。最後まで彼は気がつかなかったよ」(笑)


「じゃあ、もしかして知らないまま?」


「そう」(笑)


「宵山ってスゴイ人だもんね」


「そう、大群衆だもんね」


「25年ぶりの果たした約束」


「そうだ、一緒に宵山を見ようって・・・・・・懐かしいなあ」


「男の人にそんなに覚えてもらって・・・・・女冥利につきるワ」


「うっとおしくないかな」


「人によるけど・・・・・でもディスコの君も、夕陽の君も、桜の君も、絶対に嬉しいと思う」


「それならいいんだけどなあ。社交辞令でも嬉しいなんて、女性は言いそうだから」


「それはある」


「がっかりさせるなよ」


「ははは・・・・・」


追伸
次回更新は、11月4日の予定です
尚、状況により、前後させて頂きます